昨年は、アメリカ大統領選挙の年、アフリカンアメリカンのオバマ氏が熱狂的な支持をもとに大統領として選ばれ、昨月1月に大統領就任式がありました。
大統領選挙といえば、1992年のブッシュ、クリントン戦が思い出されます。8月に研究のためアメリカ暮らしを始め、まさにその年が大統領選の年でした。テレビに映し出される選挙キャンペーンに、異国ながらもわくわくするものを感じることができました。
一つの言葉が、国を返る、その雰囲気がアメリカには漂っているように思いました。私たちは、南部アラバマに住み、時間があるといろいろなところを旅して回りました。南部といえば誰でもが黒人差別を思い出すことでしょう。Gone With the Wind で有名なアトランタを訪問したとき、ダウンタウンにあるマーティン・ルーサー・キング Jr. センターを訪問しました。

そこには、公民権運動に貢献しノーベル平和賞を受賞した、キング牧師の生家と墓地などがありました。私たちが訪問したとき、センターは観光客でにぎわっていましが、そのほとんどはアフリカンアメリカン、異様な感じを受けました。私たちが住んだ南部はとても人に優しい南部でした。サザンホスピタリティーという言葉があります。私たちの南部には、この言葉がまさにそのまま当てはまる、人種差別などなかったかのような南部がありました。しかし、センターで見た、ほとんどが、アフリカ系アメリカ人の観光客には、なにか独特のものをおぼえたことを記憶しています。
そのセンターで買ってきたキング牧師の演説を録音したテープ「I Have A Dream」(私には夢がある)が机の引き出しに入っています。そう、1963年8月28日にリンカーン記念堂へ向かうワシントン大行進において行われた有名な演説。「いつの日か、かつての奴隷の子どもと、かつての奴隷の所有者達の子どもが、兄弟愛というテーブルにおいて席を共にすることができる日がくることを・・・」、そして、演説から半世紀を経ずして、そのときがやってきました、今年、新しいアフリカ系アメリカ人の大統領が誕生したのです。
今でも時々このテープを聴いています。このテープには力があります。新しい大統領の言葉にも力があります、愛があります。今年の Presidential Inauguration を見ていて、私たち家族が経験した懐の深いアメリカ、言葉が力を持つアメリカを感じるとともに、いつか過ごした南部アメリカを思い出しました。
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