特集まるで職人さん!「パン研究会」の本格パン作りに密着!

559

SHINJOには、60近いクラブやサークルがある中で、全国的にも珍しい団体があります。そのひとつが、「パン研究会」。「研究」という名前がついているけれど、パンを学問的に探究しているわけではありません。そこで行われているのは、職人さながらのパン作り。今回はパン研究会に密着し、活動の様子をお届けします!

焼き立てパンがずらり!部屋いっぱいに広がるパンのいい香り。

木曜日のお昼すぎ。パン研究会が活動する「パン加工室」にやってきました。

和気あいあいとおしゃべりしながら、パン生地を切り分けるメンバーの皆さん。

— こんにちは〜!わあ、めっちゃパンのいい香りがする!さっきごはんを食べたばかりなのに、もうお腹が空いてきました(笑)。今日はよろしくお願いします。

堀端さん:こんにちは!ようこそパン研究会へ!さっき、「キャロットチーズカップサンライズ」が焼けたところなんです。食べてみませんか?

部長を務める管理栄養士養成課程3年生の堀端さん。笑顔で出迎えてくれました!

— え、いいんですか?せっかくなので、いただいちゃいます♪

ふっくら、いい色に焼き上がっています。

堀端さん:ぜひぜひ!これは、人参とトマトの粉末をパン生地に混ぜ込み、チーズクリームを包んで焼き上げたパンです。さあどうぞ!

— ありがとうございます!うわ、びっくりするくらい、ふわっふわ!パンが温かくて、より甘みを強く感じられますね。ほんのり酸味のあるチーズクリームが、絶妙にマッチしていてホントにおいしい。正直、学生さんが作ったとは思えないくらい、パン屋さんで売っているような本格パンですね。

堀端さん:ありがとうございます。今日はほかにも、「枝豆フランスパン」と「カレーフランス」を作っているところです。クロワッサンのようなパイ生地のパン以外であれば、ある程度のパンは作れます!

— すごい!パン屋さん開けそう!1日中パンを作り続けているんですか…?

堀端さん:そうです。毎週木曜日が活動日です。朝9時から夕方まで、ひたすらパンを作って、出来上がったのを食べるのも楽しみの一つです。

— お腹も心も満たされる素敵なサークルですね!

堀端さん:ここには、パンが好きな人や、食べるのが好きな人、料理が好きな人など、約50人の部員がいて、みんなで協力しながらパンを焼き上げています。学年も学科もさまざまな人が集まっているので、おしゃべりを楽しみながら、わいわい活動しています♪

できたてパンを手に、皆さんいい笑顔!

— 平日の日中って、授業もありますよね?

堀端さん:みんな、授業の空き時間に集まっているんです。今は3限目なんですが、時間が空いているメンバーで協力しながらパン作りを進めています。

レシピや機械も本格的!職人さながらのパン作り。

— メンバーの皆さんはパン作り経験者とか、料理が得意な方が多いんですか?

堀端さん:そんなことないですよ!メンバーのほとんどがパン作り未経験ですし、慣れない人には上級生がサポートしています。それに、プロ仕様の設備が整っているので、本格的なパンが焼けます。

温度や湿度を調整して、生地を発酵させる機械。
パン屋さんにあるような、大きなオーブンも!

— 確かに、機械が本格的!皆さんも扱えるんですか?

堀端さん:もちろんです。湿度や温度、時間は過去の指導者の先生が作ってくださったレシピを参考にしています。

「キャロットチーズカップサンライズ」作りに密着!

先ほど試食させてもらった「キャロットチーズカップサンライズ」。どんな風に作ってるの?と思ったあなた。作り方にも密着してきたのでご紹介しますね!

ミキシング

材料は、ゆめちから(強力粉)・砂糖・卵・塩・無塩バター・生イースト・脱脂粉乳・トマトパウダー・人参パウダー・水。これらを分量どおりに用意して、ミキサーで混ぜ合わせていきます。

生地を捏ねる用の大きなミキサー。
捏ねるスピードを加速させていきながら、弾力ある生地に仕上げていきます。

発酵

充分にミキシングできたら、「ホイロ」という機械を用いて、最適な温度と湿度で生地を発酵させます。

1.5倍くらいに生地がふくらみました!ふにふに、ふわふわで、さわり心地が気持ちいい!
指を押し込んで・・・
生地がへこんだままなら発酵完了。

分割・成形

生地をパン1個ずつの大きさに切り分けて、パンの形を作っていきます。経験の差や、一人ひとりの個性がでるポイントです!

「スケッパー」という器具を使って、パン1個分に生地を切り分けていきます。
切り分けた生地を手で丸めて整えます。筆者も体験しましたが、思った以上に難しい…。手は軽く添えるだけ、パンをころころと動かしてあげることがポイント。
丸めた生地をトレイに並べて、少しの時間、生地を寝かせます。
作業中はこんな感じ♪皆さん慣れた手つきで、どんどん作り上げていきます。
生地の真ん中にチーズクリームを入れます。
生地で包み込んで…
粉をまぶして…
カップに入れたら、手作業はほぼ終了!

焼成

焼き上げる前に、最終発酵させるものもあります。それが終わったら、オーブンへ。15分ほどでおいしく焼き上がります♪

ふっくら、きつね色に焼き上がっています。

完成!

ふわふわな食感と、チーズクリームの酸味がたまらない、「キャロットチーズカップサンライズ」の完成!

パン屋さんで販売されていてもおかしくない、本格的な仕上がりです!

パン職人さん直伝!パンをおいしく焼くコツは?

— 気になっていたんですが、あの方は先生ですか?

コック服に身を包んだこちらの方は一体…?

堀端さん:SHINJOには、「marberg(マーベル)」というベーカリカフェがあって、そこの店長&パン職人さんなんです。いつもパン研究会のサポートをしていただいています。

— そうだったんですね!プロの方がいると心強いですね。パン職人さんにもお話を伺いたいのですが、パン作りを始められて何年になるんですか?

とても気さくでやさしいパン職人の絆地(ばんじ)さん。

絆地さん:パン職人としてのキャリアは42年になります。今日はまずお店の仕込みを終わらせてから、ここに来ました。

— 42年!?ちなみに、朝何時から仕込みをされているんですか?

絆地さん:朝の3〜4時くらいかなあ。

— ひえええ〜〜!やっぱり、パン屋さんの朝は早いんですね。パン作りで大切なこと、おいしいパンを作るコツって何でしょうか?

絆地さん:温度やね。冷たい温度から仕込み始めて、手順を踏むごとに、どんどん温度を上げていく。そうすると、しっかりと小麦粉の味がするパンに仕上がります。

夏場は氷で、冬場はお湯を使用して生地温度を調節し、生地を作ります。

絆地さん:パンは、レシピ・マニュアル・手順をきちんと守れば、そんなに技術はいらないんですよ。その分、しっかりと管理をすること。その日の天候や湿度などに合わせて、レシピや機械の設定を少しずつ変えています。

— そんなにも、温度がパンのおいしさを左右するポイントだったとは知りませんでした。繊細な食べものなんですね。

絆地さん:まあ最終的には、作る人が楽しみながら作って、自分たちが「おいしい!」と思えたら、それで充分なんです。学生の皆さんも和気あいあいと、パン作りを楽しんでくれていますよ。

どんなメンバーがいるの?部長・副部長さんにインタビュー!

— ひと通り、パン作りの工程を教えてもらったところで、部長・副部長のお二人にもお話を聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いします!

(右)管理栄養士養成課程3年生の堀端さん。(左)管理栄養士養成課程2年生の江村さん。

— お二人は、なぜパン研究会に入部されたんですか?

堀端さん:高校時代、 SHINJO のオープンキャンパスに来た時に、パン研究会の方からタピオカ粉の手作りパンをいただいたんです。それが、もちもちとした食感ですごくおいしくて!もう一度あのパンが食べたくて、SHINJOを受験しました(笑)。合格したら、絶対パン研究会に入ろうって、入学前から決めていました。

江村さん:私は入学後の新入生歓迎会で、パン研究会を知りました。実は、パンよりも白米派なんですが(笑)、パンを作るサークルって珍しいなと思って。興味がわいて、入部しました。

— お二人は、パン作りの経験はありますか?

堀端さん:私はあります!実家が和歌山県にありまして、今は一人暮らしなんです。実家にいた時に父と一緒にホームベーカリーを使って、クランベリーを入れた食パンなどを作っていました。

江村さん:私はないです。実家が山口県にあるのですが、私も今は一人暮らしをしています。実家にいた時は、祖母と一緒にお菓子作りをするのが好きでした。いつかパンも作ってみたいな、という憧れはありました。

— 実際に、パン研究会でパン作りをされてみていかがでしたか?

堀端さん:はじめは、そんなに作り方へのこだわりもなかったんですが、作り続けていくにつれて、ストレート法やボーリッシュ法、中種法などいろんな製法があるのを知って興味が深まりました。

— 製法だけでも、いろんな種類があるんですね!

堀端さん:そうなんです。今は、スーパーで売っているパンを食べると、何の製法で作られたパンなのか大体分かるようになりましたよ。

江村さん:え!すごいですね!私はまだそこまで分からないのですが、生地を作るだけでも気をつけないといけないポイントがいろいろあって、パンは繊細だなと思いました。でもそんな繊細さも、パンの魅力のひとつだなって思います。

堀端さん:あとは、「食品加工学」という授業で勉強したことが、パン研究会で実践できることもおもしろいと思いました。たとえば、パン生地を捏ねていると「グルテン」によって生地に粘弾性がうまれるんですが、それを実際に目で見て確認できるんです。

江村さん:私も授業で習いました!「あ〜、これか!」って思いました(笑)。

堀端さん:そうそう、「網目構造になってるな」とかね。

写真だと分かりづらいですが、生地を伸ばして見てみると細かな網目の模様になっています。

— 今日、パン研究会の皆さんを見ていて思いましたけど、学年に関係なく、とても仲いいですよね!インタビューをしていて、お二人もすごく親しいなって。

堀端さん:そうなんです!それがパン研究会のいいところだと思います。みんな仲が良いので、いつも木曜日が待ち遠しいんです。

江村さん:和気あいあいとした雰囲気なので、パン作り未経験の人でも安心して楽しめると思います。それに同じ学科の先輩もいるので、勉強を教えてもらうことも出来ます。

1年生の皆さんも、おいしそうにパクパク♪みんなに名前を覚えてもらえるように、1年生のエプロンには青い名札をつけています。

— 本当にいい関係性ですね。これからは、どんなことにトライしてみたいですか?

堀端さん:パイ生地を作る機械を掃除して、クロワッサンを作ってみたいです。

江村さん:私は、これまでパン研究会が作ったことのない新しいパンにも挑戦してみたいです。

堀端さん:それいいね!あとは、「コープこうべ」で開催している商品開発コンテストにも参加したいです。一昨年に参加したんですが、先輩たちが提案したパンが優秀賞を受賞し、コープこうべとコラボレーションしたパンが、全161店舗で発売されました。

パン研究会とコープこうべのコラボ企画についてはこちら

https://www.yg.kobe-wu.ac.jp/wu/news-events/2018/campuslife/news/180406.html

江村さん:幼稚園児のパン教室も楽しみです。神戸女子大学附属高倉台幼稚園の子どもたちを大学に招いて、一緒にパン作りをします。その時の子どもたちの表情がとってもかわいいんです!

パン教室についてはこちら

https://www.yg.kobe-wu.ac.jp/wu/news-events/2018/news/180910.html

— 最後に、高校生の皆さんへメッセージをお願いします!

堀端さん:全国にある大学の中でも、ここまで本格的にパン作りをしている団体は珍しいと思います。少しでも、パン作りやパン研究会に興味がある人は、一緒に活動してみませんか?

江村さん:先輩もおっしゃるように、こんなプロ仕様の機械でパンを作れることって滅多にないと思います。ぜひ、一緒にパン作りを楽しめたら嬉しいです!

— ありがとうございました!

パン研究会のTwitterはこちら https://twitter.com/panken_kwu

パン研究会のインスタグラムはこちら https://www.instagram.com/panken.shinjo/?hl=ja