滋賀県に暮らす眞生は、隣接する京都の大学を候補に挙げ、オープンキャンパスにも参加した。が、どこもしっくりこない。高2のときに訪れた神女のことがずっと気になっていたのだ。しかし、神女は自宅から通学できる距離ではなかった。「私、やっぱり神女に行きたい」夕飯の箸を置き、眞生は切り出した。「……京都の大学じゃダメなの?」案の定、母の顔が曇る。母と眞生のやりとりを黙って聞いていた父が言った。「だったら、もう一度、神女のオープンキャンパスに行ってきなさい。そこで何がしたいのか、何ができるのか、しっかり見つけて、父さんたちを納得させなさい」父の言葉に弾かれるようにして、眞生は須磨駅に降り立った。心臓が音を立てる。この目でしっかり確かめなくちゃ。