いくつかのオープンキャンパスに参加したが、神女は真面目そうな学生が多いと感じた。将来、理想の就職を叶えるためにも、勉強に専念できる環境であったほうがいい。同じ偏差値で、文学部のある女子大は他にもあったが、桃夏は迷わず神女に決めた。
桃夏の期待通り、神女は心穏やかに過ごせる場所となった。就活に役立つようにと、資格取得にも積極的に取り組んだ。高2から書きはじめた日記は、大学4回生になった今も続けている。それは桃夏が幼い頃から国語が好きだったせいもあるかもしれない。
文章は書くのも読むのも好きだ。中でも小説読解や筆者の気持ちを考える授業が好きだった。その思いをさらに深めてくれたのが、谷崎潤一郎を研究する三島先生だ。